3Dプリンターの歴史
1980年4月に、愛知県名古屋市の工業試験所の技術者であった小玉秀男氏が、
光硬化性樹脂を用いた光造形法「特開昭56-144478:立体型作成装置」を特許出願したことが、
3Dプリンターの始まりと言われています。
しかし、審査請求がされていなかったため、
正式には1986年アメリカのチャックハルが特許を取得し3DSystemsが創業され、
世界初の3Dプリンターが誕生しました。
当初は、3Dプリンターではなく1984年から1993年頃まで光造形と呼ばれ光硬化樹脂を紫外線で硬化させる、
光造形(STL)方式が主流でした。
その後、様々な技術開発が進み、装置も開発されていきました。
光硬化性樹脂を紫外線で硬化させ、次の層に樹脂を付着させ硬化させ積み上げるように
造形していくので「付着積層加工」と呼ばれていましたが、1993年以降日本では「積層造形」と名前が統一されました。
初めて実用化されたのは1987年、3DSystemsの『SLA-1』という機種。
SLAシリーズの原型となった機種で、かなり巨大な光造形機でした。
1988年。
アメリカ ストラタシス社が「熱溶解積層法(FDM法)」の特許を取得。
光造形よりも簡易な方法であり、現在の3Dプリンターのほとんどの機種で採用されている方式の誕生です。
3DSystemsとストラタシス社。
この2社で3Dプリンターのシェア70%を占め3Dプリンターをここまで進化させてきた
2強です!
実用化された1980年代頃は、
3DCADデータでプリンターのようにレーザー光を縦横に動かし光を当てて樹脂を硬化していく方法が主流でした。
1980年代後半になると、工業化が急速化し様々な造形法が開発されています。
まだまだ発展途中ともいえる3Dプリンター。
これからも進化が続きます。
3Dプリンターの技術は、30年以上の歳月を経て性能の向上と低価格が実現してきました。
2009年にはアメリカで10万円台の3Dプリンターが発売され、個人でも購入できる価格にまで下がりました。
実用化当初は試作品程度だったものが、現在は完成品として使えるほどになり、
製造業のみならず、一般消費者にも普及が始まりました。
そのきっかけの1つとなったのが、ストラタシス社が保有していた「熱溶解積層法(FDM)」の特許が2009年に期限切れによって、
オープンソースや家庭用の低価格の3Dプリンターが各メーカーから続々をと発売され、
3Dプリンターの価格破壊が始まりました。
2つ目のきっかけは、アメリカのクリス・アンダーソン氏の著書「MAKERS」
技術や知識がなくても、3Dプリンターなどを使えば、誰もがモノづくりができる。
メイカーズになれると宣言したことで、メイカーズブームが到来したのです。
2014年は日本でも3Dプリンターブームが到来し3Dプリンター元年になるだろう。と言われています。
2.3年後には一般家庭に当たり前のように普及しているかもしれない3Dプリンター。
様々な可能性を秘め、今後いろんな分野でも革命を起こしていくことでしょう。
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